マンション買取のメリット、デメリットを徹底解説!
不動産売却の方法として、マンション買取があります。
一般的に仲介会社に売却を依頼する場合より安い金額になるため、マンション買取を利用する人は少ない傾向になります。
しかし、短期間で現金化できるメリットがあるため、事情がある人にとっては利用価値のある方法だといえます。
そこで、この記事では、マンション買取を検討している人に向けて、以下の内容を解説します。
- マンション買取とは?
- マンション買取のメリット
- マンション買取のデメリット
- マンション買取が向いている人
最後までお読みいただくことで、マンション買取を利用するべきか判断しやすくなります。
マンション売却経験2回かつ現役宅建士の私が、わかりやすく解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
マンション買取とは?

マンション買取とは、不動産会社に直接売却する方法のことです。
マンションを買いとった不動産会社は、リフォームを行った後、転売して利益を得ることを目的としています。
リフォーム費用や利益を確保するため、買取金額は売却相場よりも低くなることがデメリットです。
しかし、仲介会社に売却を依頼しても売れない場合でも、マンション買取では不動産会社が買い取ってくれる可能性があります。
また、短期間で現金化できるメリットもあるため、売却が難しいマンションを所有している場合や、できるだけ早く売りたい人には適した方法です。
マンション買取のメリット

買取のメリットは、以下の7つです。
- 短期間で現金化できる
- 手続き関係がスムーズにできる
- 契約不適合責任を負わなくてよい
- 近所に内密に売却できる
- 現状のまま売却できる
- 仲介手数料がかからない
- 訳あり物件でも対応してくれる可能性がある
【買取のメリット1】短期間で現金化できる
マンション買取の最大のメリットとしては、短期間で売却できることです。
仲介会社に売却を依頼する場合は、一般的に3~6ヶ月間かかりますが、買取であれば、1ヶ月程度で決済まで完了するケースもあります。
また、すぐに現金化できることも大きなメリットでしょう。
できるだけ早く売却したい、金銭的事情で早く現金化したい人に買取は向いています。
【買取のメリット2】手続き関係がスムーズにできる
不動産のプロがマンションを買取しますので、契約手続きや引渡し等スムーズに行えます。
また、仲介会社に売却を依頼する場合は内覧を行いますが、買取であれば必要ありません。
内覧とはお客様に実際の部屋を見せることで、住みながら売却する場合は非常に大変です。
売却に対する手間も大幅に省かれるため、比較的容易に引渡しまで完了するでしょう。
【買取のメリット3】契約不適合責任を負わなくてよい
契約不適合責任が免責されることも買取の大きなメリットの1つです。
契約不適合責任とは契約書に記載のない欠陥や不具合に対する売主の責任のことで、引渡し後でも発覚した場合は責任が問われます。
たとえば、引渡し後に設備の不具合が発覚した場合は、修繕を請求されたり、契約解除されたりといったリスクがあるのです。
しかし、買取では売却先が不動産のプロであるため、契約不適合責任が原則免除されます。
築年数が古いマンションは把握できていない欠陥や不具合も多いため、物件の引渡し後も安心です。
【買取のメリット4】近所に内密に売却できる
マンション買取は、近隣の方に知られずに内密に売却できることもメリットといえます。
仲介会社に売却を依頼すれば、売却活動としてインターネットに情報を出したり、内覧を行ったりするため、周辺住民の方に売却していることがわかってしまいます。
しかし、マンション買取では業者が直接買取するため、インターネットなどで売却を告知することがなく、内覧も行いません。
そのため、近所の方にマンションを売却していることを知られるリスクが少ないのです。
近所付き合いなどがあり、内密に売却したい方にとっては適した売却方法といえるでしょう。
【買取のメリット5】現状のまま売却できる
マンション買取では、リフォームの必要がないため、現状のまま売却できます。
業者が買い取った後にリフォームをして再販することが多いためです。
また、親の物件を相続した場合など家具や家電などが残ったマンションもそのままの状態で買い取ってくれる業者もあります。
荷物の整理やリフォームの必要がないため、仲介会社に売却を依頼する場合と比べて負担は最小限に抑えられます。
【買取のメリット6】仲介手数料がかからない
マンション買取では、仲介手数料がかからないこともメリットです。
仲介手数料とは不動産会社に売却を依頼して成約した際に支払う成功報酬のことで、買取では負担する必要はありません。
売却金額によって仲介手数料の金額は異なりますが、仮に2,000万円で売却した場合は、72万6千円も負担する必要があります。
余分な費用がかからないことは、うれしいメリットといえるでしょう。
【買取のメリット7】訳あり物件でも対応してくれる可能性がある
マンション買取では、訳あり物件でも対応してくれる会社もあります。
訳あり物件とは、訳あり物件とは一般的に心理的瑕疵がある物件のことで、事故物件とも呼ばれます。
自殺や殺人など自然死や不慮の事故死以外の死が起こった物件は、一般の買い手が敬遠するため、仲介会社に売却を依頼しても断られることが実情です。
しかし、マンション買取業者の中には訳あり物件を専門に扱う業者も存在するため、事故物件であっても買いとってくれるのです。
所有しているマンションが訳あり物件の場合は、買取を選択したほうが無難といえます。
マンション買取のデメリット

一方、買取には、以下のような5つのデメリットがあります。
- 売却相場より安い
- 買取価格が妥当か判断しづらい
- 価格交渉が難しい
- マンションによっては買取してもらえない
- 悪質な業者だとトラブルになる可能性がある
【買取のデメリット1】売却相場より安い
マンション買取の最大のデメリットは、買取価格が売却相場よりも安いことです。
物件の状態によって買取相場は異なりますが、一般的には売却相場の6~8割程度です。
仮に売却相場が、3,000万円の場合、買取では2,100万円(7割で計算)となり、900万円も損をすることになります。
さらに買取業者は少しでも安く買いたいため、1社だけに査定依頼をすると買い叩かれる可能性もあります。
最低でも3社に査定依頼をして対応も含めて比較しましょう。
【買取のデメリット2】買取価格が妥当か判断しづらい
マンション買取では、業者が提示する買取価格が妥当な金額か判断しづらいこともデメリットです。
一般的な売却相場は、「不動産情報ライブラリ」「レインズマーケットインフォメーション」などで過去の成約事例で調べることが可能です。
しかし、マンションの買取相場はインターネットなどで調べられず、物件の状態によって異なるため、提示される買取価格が妥当かどうか判断にづらいのです。
また、一般的には売却相場の6~8割が買取価格といわれていますが、買取業者が提示する価格に明確な根拠はありません。
そのため、複数の買取業者に査定を依頼して査定額を比較する必要があります。
【買取のデメリット3】価格交渉が難しい
買取価格を上げてもらう価格交渉が難しいこともマンション買取のデメリットです。
先述のとおり、買取業者が提示する価格に明確な根拠がないため、価格交渉を行う材料が乏しいのです。
そのため、複数社に査定を依頼して、できるだけ高い査定額を提示した業者を見つけましょう。
ただし、査定額は高くても対応が悪い場合もあるため、その際は対応の良い業者に高い査定額に合わせてもらうよう交渉することをおすすめします。
【買取のデメリット4】マンションによっては買取してもらえない
マンションによっては買取してもらえないこともデメリットの1つです。
そもそもすべてのマンションを買取してくれるわけではありません。あくまで、不動産会社が転売できて、収益が見込めるマンションだけです。
一概には言えませんが、管理費や修繕費が高い場合や、駅からかなり遠い場合など需要が少ないマンションは買取してもらえないこともあります。
また、先述のとおり、訳あり物件だと断られる可能性もあります。
そのため、所有するマンションの買取に対応した買取業者を見つけることが重要です。
【買取のデメリット5】悪質な業者だとトラブルになる可能性がある
残念ながらマンションの買取業者には、悪質な会社も存在するため、トラブルになる可能性があります。
たとえば、悪質な買取業者だった場合、何かと理由をつけられ、契約後に買取価格を下げられる可能性があります。
悪質な買取業者を避けるためには、以下の点に気をつけましょう。
- ホームページで買取業者の会社情報を調べる
- インターネットで口コミや評判を確認する
- 担当者の対応をチェックする
業歴や買取実績など、ホームページで調べ、口コミや評判を確認すれば、悪質な買取業者かどうか判断しやすくなります。
また、約束の時間を守っているか、質問には適切に答えているかなど、担当者の対応もチェックしておきましょう。
マンション買取が向いている人
マンション買取に向いているのは、以下のような人です。
- できるだけ早く現金化したい人
- 需要がないマンションを所有している人
- 訳あり物件を所有している人
- 遠方にあるマンションを相続した人
ただし、相続物件が遠方にある方でも仲介で売却が見込める場合は損をする可能性が高いため、慎重に検討しましょう。
まとめ
今回は、マンション買取のメリット、デメリットについて詳しく解説しました。
一般的には利用頻度が低いマンション買取ですが、「できるだけ早く現金化したい人」や「訳あり物件を所有している人」などは利用価値があります。
しかし、安く買い取られたり、悪質な買取業者に依頼したりすることがないよう、複数社に査定依頼することが重要です。
所有するマンションの買取に対応している業者を見つけ、最低3社は査定依頼することをおすすめします。
